2015年02月19日
萱垣稲荷初午大祭
2月11日、浜松市中区の天林寺境内にある萱垣(かやがき)稲荷の初午(はつうま)大祭「稲荷楽市」に出かけました。
境内では、地場産品の販売やフリーマーケット、福引、甘酒サービス、宗徧流奉納茶会に加え、大道芸、バルーン・アート、ハーモニカなどの音楽演奏披露など、ちょっとレトロでまったりとした時間が流れていました。
ちなみに初午とは2月最初の午の日のことで、稲荷社の本社である伏見稲荷大社のご祭神である稲荷神が伊奈利山に降りたのが和銅4年(711)2月の初午だったから、この日に全国でお祭りを行うようになったのだそうです。
ところでここ萱垣稲荷に林立する赤い幟に「萱垣稲荷荼枳尼真天」とあります。
これが気になったのでちょっと調べてみました。
萱垣稲荷は、大正から昭和にかけて境内で茶店を営んでいた新村源七と有泉とめのという信心深い二人が、信濃国下伊奈郡鼎村字萱垣(現長野県下伊奈郡鼎町)の願王寺に祀られていた萱垣稲荷を勧請したものだそうです。
また荼枳尼真天(だきにしんてん)とは、稲荷神が仏教における荼枳尼天(インドの女神ダーキニー)と習合されたもので、神仏分離のもと豊川稲荷を代表とする仏教寺院で祀られているとのこと。一方、神道の稲荷神社では日本神話に記載される宇迦之御魂神(うかのみたま)などの穀物・食物の神を主祭神としています。
お稲荷さんと言えば狐ですが、これは狐の古名が「けつ」で宇迦之御魂神の別名の御饌津神(みけつのかみ)に「三狐神」と当て字したのが始まりで、やがて狐は稲荷神の使いになりました。そして荼枳尼天は死者を食らうという狐との共通点により稲荷と習合したとも言われています。
つまり、稲荷神 ⇒ 宇迦之御魂神(=御饌津神) ⇒ 狐 ⇒ 荼枳尼天 ということになりますか。
なるほど…、面白いですね。
この天林寺があるのも三方原台地の東縁です。